蘇った自転車

家族が何年か前にギア付きのサイクリング用自転車を買った。

スタイリッシュな感じで会社に乗って行ったり。

そしてすぐに飽きた。

飽きたというより、暑い時期に何十分も自転車に乗るのが嫌になったようだ。

そして埃まみれになり、タイヤもひび割れ、可哀想に捨て置かれた自転車は、本来の目的を果たすこともなく、粗大ごみになるのを待っていた。

そんなとき、甥っ子が自転車がなくなったとツイッターに書いた。

これは自転車が蘇る機会だと思った。

甥っ子に連絡すると、欲しいといってくれた。

可哀想な自転車をメンテナンスし、車に積み込んで、甥っ子のところに持って行った。

甥っ子はとても喜んでくれた。

自転車も喜んでいるようにみえた。

きっとこれからは風を切って、弾むように走ることだろう。

自転車は走るために生まれてきたのだ。

これからは自転車らしく生き生きと過ごしてほしい。