野良猫の気持ち

しばらく近所でみかけていたズタボロの白猫がいなくなった。

毛は汚れ、ところどころ抜け、足はびっこを引き、息はゼーハーと苦しげで、生きているのもつらそうな、それでも昨年の雪が積もった後も、この酷暑の夏もなんとか生きのびていた。

ここ10日ほど見かけない。

死んでしまったのか、誰かに保護されたのか。

ズタボロの姿を見るにつけ、檻を設置してつかまえることも考えた。

暖かい場所でごはんの心配もなく、足や呼吸の治療もして…とも思ったが、元気な猫ならいざ知らず、すでに弱っている白猫がつかまったときの恐怖や、おそらく生きようと暴れたりするときの精神的・肉体的ダメージを考えると、しんどくて生きづらくとも、これまでどおり心穏やかに過ごすのが一番なのかなと思った。

なにが幸せなのか。

野良猫の気持ちを測ることはできない。